このレースの三国開催が決まった時から照準を合わせてきた地元エースの今垣光太郎が「次いつ三国にSGが来るか分からないし、年齢的も今回が最後(のチャンス)だと思う」と入魂の勝負駆けだ。三国実績では今垣にヒケを取らない中島孝平はG1を半年間走れなかった中で出場をギリギリで決めて笑顔を見せた。V争いの期待大だ。
 この地元コンビに割って入る一番手は、やはり山崎智也だろう。大村SGオールスターV、またG1は3優出V2で賞金ランクは6月8日時点でトップと勢いはNO.1だ。次いで賞金ランク4位の太田和美は近畿の選手だけに準地元と言ってもいい。そして、賞金ランク3位の毒島誠、5位の池田浩二、6位の平本真之、8位の今村豊、13位の吉田拡郎、16位の茅原悠紀、18位の松井繁らが上位進出を虎視たんたんと狙う。
 たかが1馬力。されど1馬力。「より安全で面白いレースの具現化」をコンセプトに三国では4月1日に導入された出力低減型エンジン(ヤマト331型)。一番の特徴は良機と凡機のパワー差が大きいことに尽きる。そして、パワーを欠くエンジンはペラ巧者でもなかなか立て直すことが難しいという状況が生まれている。以前のエンジンと比べるとスタートする時の起こしが重いのも特徴。「前のエンジンならFに見える景色で、今は届いてないことが多い」という声を多く耳にする。また、今垣光太郎は「このエンジンは調整のゾーンが狭い。GWの時(湯の花賞)は悪いエンジンではないのにバチッと合ったのは1回だけだった」と話している。