17年ぶりの三国開催となるSGオーシャンカップが近づいてきました。
中島17年ぶりに地元の三国で開催されるSGです。17年前もオーシャンカップでしたが、その時はまだデビューしていませんでした。本栖研修所で訓練中だったので、地元でSGをやっているなんて知りませんでした。
今垣さんは出場されていましたよね?
今垣はい。ドリーム戦に選ばれましたが、準優に乗れずに落ち込んだのを覚えています(苦笑)。三国では95年にボートレースメモリアル(MB記念)、99年にオーシャンカップを開催していて、僕のSG初出場がそのメモリアルでした。すごい盛り上がりでしたね。関係者から聞いた話ですが、全国からお客さんが集まって、指定席を取るために徹夜で並んでいたそうです。
中島さんのSG初出場も…。
今垣
孝平もメモリアル(2002年・蒲郡)がSGデビューだよね。僕はデビュー6年目での出場だったけど、孝平は3年目で出場しているからすごいよ。
中島あの時は、今垣さんと(石田)政吾さんが前年のグランプリ(賞金王決定戦)に出場されていたので、ダービーまでのSGの優先出場権をもっていたんです。それで、僕がレース場に推薦していただいたんです。
当時は前年のグランプリ出場12名とシリーズ戦優勝者にSG優先出場権がありましたからね。
中島それまで憧れだった今垣さんとSGやG1で一緒に走って、あらためて今垣さんのすごさがわかりました。絶対に妥協しないんです。
お2人は共通点が多いですね。
今垣僕の初1着がデビュー2カ月目、初優勝は2年目。孝平も同じなんだよな。選手になる前は何かスポーツをやっていたの?
中島ソフトテニスです。
今垣一緒だね。僕は野球をやって、それからソフトテニス。
松井(繁)選手もソフトテニスをやっていたと聞いたことがありますよ。
今垣そうなんですか? それにしても、孝平とは共通点が多いような気がする。
中島僕は今垣さんに一歩でも近づければと思っているだけです。
今垣考え方は似たところがあるよね。何があっても諦めないとか。
以前、今垣さんは「三国のファンの声援は温かい」と話されていましたね。
今垣ここまで来れたのは、地元のファンの方が応援してくれたからのような気がします。良い時もあれば、悪い時もありました。それでも変わらず、声援をくれるんです。
中島それは感じます。地元戦で成績が悪くても、温かい声援をくれますからね。三国ボートの選手宿舎は、レース場のすぐそばにあるでしょう? 坂を上って宿舎に帰るんですが、いつもファンの方が「明日も頑張って!」と声援してくれます。どんなに落ち込んでいても、「明日も頑張らなきゃ」って気持ちになります。
今垣6号艇で1番人気になった時など、どうやって勝てば良いのか、勝ち方が見えてこない時があります。それでもファンの方の声援を聞くと、「やってやろう!」と思えてくるんですよ。
三国でも4月からヤマト331型(出力低減)を導入しました。感触はどうですか?
中島地元でも乗りましたが、違和感はありますね。スタート、ストレート、ターンと分けると、一番違和感があるのはターンかな。回った後の重さというか、押しの部分が違います。
今垣スタートに関しては、風が吹いたりするので、1回として同じ条件はありません。それは慣れで解消すると思います。ターンにしても、早く慣れた者の勝ちかなと。オーシャンカップが開催される時期は梅雨明けなので、今まで使っていたプロペラゲージも役に立たないと思います。できることは何でもやるつもりでいます。
中島僕は昨年の浜名湖周年の準優Fのペナルティーで、今年の前半は一般戦回りでした。その間に、ずっと不安を抱えていたプロペラ調整について、思い切って挑戦してみました。
選手は誰でもそうだと思うんですが、ターンに関する体感というものがあります。同じようにハンドルを切って、同じようにレバーを握っても、同じようなターンができるわけではありません。自分の理想のラインに持って行くにはどうすれば良いのか。その不安は半年間の一般戦回りで解消できたと思います。これが一般戦回りの収穫ですね。本当は記念を走りたかったんですけど、物事はポジティブに考えないと。
今垣そこが僕と少し違うところかな。僕は悪いモーターを引いたときなど、どんどん悪循環に陥ってしまうから。
中島気持ちで動じないことが大切だと思っています。力の入れすぎは良くないです。
「平常心」ですね。
中島SGでも、地元戦でも「いつもどおり」でいたいと思っています。家を出るときもいつもどおりに出て、いつもどおりの道を通り、いつもどおりコンビニに寄って…、いつも同じ商品を買ってはいないと思うんですけど(笑)。
今垣平常心は本当に大切だよね。よくわかるよ。
お2人のワン・ツーで決まっているレースも結構多いんですよ。
今垣そう言われれば…、確かに多いですね。
中島今垣さんと初めて一緒に走ったのが、2001年の初夢賞(正月戦)です。最初は今垣さんが2着で僕が3着、予選最終日に初のワン・ツー(笑)。2007年8月のしぶき賞(お盆戦)でも優勝戦でワン・ツーです。本当に多いですよ。
特に印象に残っているレースはありますか?
中島一番の思い出は2010年の唐津・チャレンジカップ優勝戦です。今垣さんが優勝、僕が準優勝で、2人でグランプリに出場しました。
今垣そして、グランプリで孝平がSG初優勝を飾ったんですよ。あの時はトライアル3戦と決定戦、全て一緒だったんです。トライアル1回戦は僕が1着で孝平が5着、2回戦は孝平が2着で僕が4着、3回戦では孝平が1着で僕が3着。優勝戦は孝平が2コースからまくって優勝、僕は3着でした。
4戦全部同じレースなんて、そんなこともあるんですねぇ。
今垣おまけに、地元凱旋となった直後の初夢賞では、ドリーム戦で孝平が1着、僕が2着でワン・ツー。優勝戦では今度は僕が優勝と、ドラマのような1年でした。
師弟というかライバルというか…、良い関係ですね。
中島「なんとか今垣さんを超えてみたい」という気持ちがあって、それが僕の原動力になっています。
今垣孝平が強くなればなったで、こちらも負けられないという気持ちが生まれるので、励みになります。地元で17年ぶりにSGを開催することが決まってから、絶対に孝平と一緒に出なくちゃと思いましたから。今度のオーシャンカップは2人で盛り上げたいね。
中島そうですね。優勝戦でワン・ツーを決められたら最高ですね。できる準備は全てやって三国に乗り込みたいと思っています。
今垣そうだね。地元のSGタイトルを他支部の選手に渡すわけにはいかない。
中島地元の声援に応えられるように頑張りましょう。
今垣北陸新幹線も開通して、東京からのアクセスも良くなりました。北陸に注目が集まっている今、ボートレースでも北陸勢の活躍に注目してもらいたいですね。
